岡山大学

新TEMシステム

本システムの特徴

TEM(透過型電子顕微鏡)は今や原子レベルまで観察できる領域に入っています。
しかしどんなに優れたTEMであってもいい試料が出来なければその性能を発揮できません。
本システムには以下のような特徴がありミクロな試料作成からナノレベルでの観察・分析を実現します。

マルチな観察・分析を全領域同時に測定

一つの観察箇所において,多彩なデジタルデータ収集が行え,観察後,各ユーザーのPCでゆっくりとデータ解析が行えます。
JEM-2100F: TEM像,回折像,STEM-BF像,STEM-HAADF像,SEM像,EDS,EELSなどJIB-4500 : SEM像,SIM像,EBSP,EDSなど

強力な電子線プローブ

Csコレクタにより達成できる非常に微小で高密度な電子線プローブは高分解能観察や分析などでけた外れな威力を発揮します。Csコレクタは200kVと120kVで調整されています。

3Dトモグラフィ

JEM-2100F:同一視野で少しずつ試料を傾斜した像を取得し,3次元組織を構築します。
JIB-4500 :FIBで試料を削りながらその断面組織を取得し,3次元組織を構築します。

フィルム不用

千載一遇のTEM写真を撮影しても,後の現像に失敗したら全て水の泡となります。
本システムではこれまでのTEMフィルムも使用できますが,用途に合わせた幾つかのCCDカメラを搭載しており,現像作業から完全に解放されます。

試料任せからの解放

結晶材料では所望の観察方位というものがあります。例えば,構造像を観察したい場合
低指数の結晶方位からの観察でなければなりません。また,双晶などでは母相と双晶とが同一方位となる結晶方位からの観察が有利です。本システムではEBSPにより予め結晶方位を測定し,所望な方位をもつ薄膜やピラー試料を作成できます。

ドリフト補正

マッピング分析を行う際,いくぶん分析時間を必要とします。このとき試料のドリフトがあると測定箇所がオーバーラップしたり全く違った場所を分析するといった不具合が発生します。本システムではマッピングの際に基準箇所を追尾し,試料ドリフトを補正する機能を有しています。

筐体内の様子が分かる

SEM観察において試料ステージの様子がよく分からず,対物レンズに試料をぶつけてしまったり,EBSP検出器を傷つけてしまうことがよくあります。JIB-4500にはCCDインカメラを搭載しており,チャンバー内の試料や検出器の様子をモニターできます。

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