トピック

二次電池電極のショート機構を解明 ~二次電池の安全性進化に貢献~

・スマートフォンなどに幅広く利用されているリチウムイオン電池や次世代二次電池であるナトリウムイオン電池は、過充電されると電極内に金属(リチウム、ナトリウム)が析出し、これが内部ショートや発火の原因となりますが、これまで電池内部での金属析出の様子を直接観察することは困難でした。

・核磁気共鳴分析(NMR)を利用して析出の様子をリアルタイムで観測することに成功し、電極構造の違いによる金属析出のしやすさを明らかにしました。

・過充電に対する電池ごとの安全限界を見極めることが可能になります。

   自然科学研究科・後藤和馬准教授のグループは、物質・材料研究機構(NIMS)先端材料解析研究拠点・端健二郎主幹研究員のグループと共同で、リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池が過充電された際に負極に生じる金属析出現象をリアルタイムで観測することに成功し、電池の発火事故の原因となる過充電のメカニズムを解明しました。本研究成果は、5月19日付で英国科学雑誌「Journal of Materials Chemistry A」に掲載され、2020年の同誌Hot Papersに選出されるとともに当該号の内表紙に採択されました。
 リチウムイオン電池はスマートフォンやノートパソコン、電動工具などの電源として幅広く利用されていますが、電池を過充電すると電極内に金属(リチウム)が析出し、これが内部ショート、発火の原因となります。本研究では、これまで直接観察が難しかった電池電極内部での金属の析出の瞬間について、核磁気共鳴分析(NMR)によりリアルタイムで観測することに成功し、電極構造の違いによる金属析出のしやすさを明らかにしました。

  本成果は二次電池の過充電に対する安全性限界を見極める技術として、既存電池や新規電池の特性評価や電気自動車(EV)用リユース電池の安全性評価等に有効であり、電池利用技術の発展に大きく貢献することが期待されます。

 

■論文情報 

論 文 名:Mechanisms for overcharging of carbon electrodes in lithium-ion/sodium-ion batteries analysed by operando solid-state NMR

掲 載 紙:Journal of Materials Chemistry A 

著  者:Kazuma Gotoh, Tomu Yamakami, Ishin Nishimura, Hina Kometani, Hideka Ando, Kenjiro Hashi, Tadashi Shimizu, and Hiroyuki Ishida 

D O I:10.1039/D0TA04005C 

U R L:https://doi.org/10.1039/D0TA04005C[New window]

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<お問い合わせ>
岡山大学 大学院自然科学研究科(理学部)
准教授 後藤和馬
(電話番号)086-251-7776

 

(20.07.30)